冬の大寒波に見舞われ、雪による被害も各地であり、寒さ厳しい時期での体調管理には気を付けたいものです。
今回は令和4年分の個人確定申告について、皆様からよくある質問や私が気にかかる事をまとめて見ました。
1.決算整理
事業所得や不動産所得の方は、損益計算書や収支内訳書を作成するにあたり、決算整理を行いますが、この決算整理を行っていただく際のチェックポイントを列挙してみました。
- 掛け売上げなどを売上に含めていますか。
- 12月の締め日(請求書)から12月31日までの売上(帳端売上)も売上に含めていますか。
- 未収家賃も賃貸料収入に含めていますか。
- 家事消費を売上に含めていますか。
- 買掛けなどを仕入れに含めていますか。
- 12月の締め日(請求書)から12月31日までの仕入(帳端仕入)も仕入に含めていますか。
- 12月31日時点での棚卸表を作成しましたか。
- 家事関連費の把握や計算ができていますか。
(自宅兼店舗や自宅兼事務所の場合には、固定資産税、水道光熱費、火災保険料、修繕費、家賃などが、家事用と事業用が混在していますので、家事使用面積等から、家事関連費を計算して、経費から減算してください)
- 12月請求、翌年1月以降支払い分の経費を未払経費として計算していますか。
- 租税公課や雑費の中に、経費にならない、所得税、市府県民税、健康保険料、小規模企業共済掛金などを含めていませんか。
- 消耗品費や修繕費の中に、固定資産に該当するものが含まれていませんか。
(消耗品費の内1個又は1組の値段が10万円以上のものは注意が必要です。修繕費の内、単なる修理ではない、改造や改装は「資本的支出」として、固定資産に計上しなければならないものありますので注意してください。)
- 減価償却費の計算に誤りはありませんか。
(耐用年数、償却率、償却月数に注意してください)
- 減価償却費の償却方法は定額法ですか。
(所得税の場合に償却方法を選択して届出をしていない場合には、定額法になります)
- 事業専従者給与や青色事業専従者給与の額に誤りはありませんか。
- 青色申告特別控除の適用に誤りはありませんか。
2.他の所得
申告する上では、主となる事業所得や不動産所得以外の収入などがあれば、それも合わせて、確定申告をする必要がありますので、よくある事例を列挙しました。
- 保険の満期や解約はありましたか。
(保険会社からの通知書を確認しましょう)
- 給与収入がありましたか
(給与所得の源泉徴収票を用意しましょう)。
- 年金収入がありましたか
(公的年金等の源泉徴収票を用意しましょう)。
- 車両や備品の売却で利益を得たものはありませんか。
- インターネットのオークションサイトなどの個人取引で利益を得たものはありませんか。
- 不動産の売却で利益を得たものはありませんか。
3.所得控除
所得控除にも注意して頂くポイントがありますので、列挙しました。
- 災害や盗難により、住宅家財等に損害を受けていませんか。
- 医療費の中に健康診断の費用や、ワクチン接種費用が含まれていませんか。
- 入院・通院給付金や手術給付金などを医療費から控除できていますか。
- 生命保険や損害保険の控除証明書がありますか。
- 扶養親族について、その親族の年齢や収入を確認していますか?
- 配偶者の収入やご自身の収入によって、控除額が異なりますので注意が必要です。
毎年されている方でも、確定申告は1年に1回の作業ですので、忘れていることや、税制の改正もありますので、上記のチェックポイントを参考に、今一度見直し、税制上のルールを考慮して、正しい申告を行ってください。