6月に入り夏日を感じる日々もあり、今年も暑くなりそうだなぁと少し心配しています。
消費税改正がいよいよ今年の10月より実施され、税率8%から10%への引き上げと軽減税率の導入が行われます。
前回パート1、2では、消費税改正の概要や軽減税率について説明しました。
今回パート3では、経理事務の具体的な対応について説明します。
税率が複数になるので、それに対応したシステムの導入や改修が必要です。
請求書発行ソフトや販売管理、仕入管理ソフトの改修は絶対に必要です。
パート2でも説明しましたが、「区分記載請求書等保存方式」の導入により、発行する請求書に税率ごとの集計、軽減税率対象品目の明示の記載が求められていますので、これらに対応したソフトが必要です。
又、仕入れ(仕入税額)についても、仕入管理ソフトから会計帳簿へ正しく連動させる必要があります。 一事業年度中に8%と10%が混在しますので、作業の効率性も考慮して、システム変更の時期も検討して下さい。
各種会計ソフトメーカーのサポート会員などに加入されている事業者様は、インターネットなどで、自動ダウンロードして新システムが使用できるようになっていますので、あまりご心配されることはないでしょうが、そうでない事業者様は以下の点を注意して、消費税改正対応ソフトへ変更されることをお勧めします。
飲食店では「テイクアウト」の売上が、小売店では飲食料品の売上が軽減税率8%ですので、これに対応したレジシステムが必要となります。コンビニなどの大手チェーン店は本部から統一してレジシステムが配給されるので、対応に問題はないと思います。
レジ導入や受発注システム改修については、補助金制度もありますので、メーカーなどに相談されると良いと思います。
<編集部 注>
当社取り扱い販売・仕入管理ソフトの多くは軽減税率対策補助金の対象です。
詳しくは下欄外の注をご覧ください。
9月末までの納品分などは、旧税率ですが、10月1以降の納品分からは新税率の10%です。
例えば10月20日締め(9月21日~10月20日)の請求には消費税率8%と10%が混在しますので、請求書作成ソフトへの入力時には、9月末日までに納品されたものか、どうかの確認は重要です。
完成工事高も同様に9月末日までの完工か否かは重要ですので、現場担当者に確認されることをお勧めします。
又、業務の簡素化と明確化を重視するなら、9月21日~9月30日で一旦締めて請求書を発行し、10月1日~20日で締めて、2回に分けて請求書を発行する方法もご検討されてはいかがでしょうか?
相手からの請求書に基づき、税率の区分ごとに帳簿を入力しますので、請求書の合計額を単純に帳簿入力できません。
売上と同様に10月20日締め分の請求には税率が混在しますので、業務の簡素化と明確化を重視し、仕入業者に9月末と10月20日と2回に分けて請求書を発行してもらえるように、依頼されることをお勧めします。
経費については支払った日付で帳簿入力されている事業者様が多いかと思いますが、10月1日以降の取引については、領収書の日付や引落日だけではなく、請求書、取引明細、カード明細等を良く見て処理して下さい。
会計ソフトは取引日で税率を自動判断するようになっています。
<編集部 注>
当社では、消費税改正と各業務ソフトウェアの関連について、情報提供をしておりますので、併せてご覧ください。また、当社取り扱いの販売・仕入管理ソフトの多くは軽減税率対策補助金の対象製品(B型またはC型)として認定を受けています。
軽減税率対策補助金申請手続きについては原則お客様ご自身が行う必要がございますが、対象商品の案内を行っておりますので、お気軽に当社までお尋ね下さい。