桜の開花のニュースを聞きますと、春の訪れを感じます。陽気に誘われ、いつ、お花見に行くかで悩みますが、時に肌寒い日があり、体調管理が難しい時期でもあります。
又、この時期、各種団体の総会や社内の歓送迎会など、懇親会での飲食が多くあり、交際費の出費に伴う経理処理も気になるところです。今回は交際費とその隣接費用に着目したいと思います。
法人税法上では、交際費の取扱について、一定の制限を定めています。
会社が使った交際費について、一部経費として認めない、つまり「税金を計算する上で経費ではない(損金不算入)」としています。 具体的にはその会社の資本金によって、以下の規定となっています。
(1)資本金1億円以下の会社
A:交際費の額のうち接待飲食費の50%までは損金算入
B:定額控除限度額 年間800万円までは損金算入
◎AかBかのどちらかを選択することができます。
(2)資本金1億円超の会社
A:交際費の額のうち接待飲食費の50%までは損金算入
従って、交際費の多い会社や資本金1億円超の会社にとっては、交際費に該当するかしないかによって税金の負担が異なりますので、以下に隣接費用との区別を見ていきましょう。
(1)1人当たり5,000円以下の得意先、仕入先等の飲食費
⇒ 会議費
(2)会議、来客との打合せ、社内会議等で通常要するお茶、弁当などの飲食費
⇒ 会議費
(3)社内会議であっても高額な酒食を伴う飲食費
⇒ 交際費(社内交際費)
会社の付き合い上、各種団体等から協賛金を求められることがあります。
この場合、その協賛金の内容と相手先によって取扱が異なります。
(1)協賛をすることで、広告物やポスターに社名が載る場合
⇒ 広告宣伝費
(2)会社の事業に直接関係がある相手先に対する場合
⇒ 交際費
(3)会社の事業に直接関係がない相手先に対する場合
⇒ 寄付金
(4)会社と関係がなく、代表者の出身校など代表者関連で支出する場合
⇒ 役員賞与
(5)協賛金と引き換えにチケットを貰い、そのチケットを社員に配布
⇒ 福利厚生費(但し、高額なチケットは社内交際費になります)
基本的には社外か社内かにより取扱がかわります。慶弔見舞金も社外の得意先等に対する場合には交際費になり、社員に対する場合には福利厚生費となります。
慰安旅行の費用についても、得意先を招待した場合には交際費になり、社員に対する部分は福利厚生費になります。この場合、旅行にかかった全ての費用(内容の吟味も必要)を参加した得意先の人数と社員の人数により按分計算し、交際費と福利厚生費に分けますが、そもそも、得意先を接待する目的で行う旅行で、担当社員が同行するような場合には、旅行費用の全てが交際費になりますので注意して下さい。