12月に入りますと、お客様からは年末調整と贈与に関するご質問が多くなります。贈与については、贈与税の特例が使える期間や「今年中に贈与をしたい」の気持から、この時期にご質問が増えるようです。今月は贈与税の特例について一部紹介させて頂きますのでご参考にして下さい。
贈与は自分の財産を自分以外の者に無償であげることで、そこには何かしらの目的や理由があるはずですので、下記の事項を考慮して、贈与する相手と贈与する物を選別されることをお勧めします。
相続税を節税する、あるいは納税資金の確保の為に生前贈与する場合と、将来の親族間での争いを避けるために財産分与という形で生前に贈与する場合とでは、受贈者も方法も違います。
「年間110万円までの贈与なら贈与税はかからない」と言うことは多くの方が御承知だろうと思います。また、2500万円まで無税という相続時精算課税制度の利用も最近は増えてきました。注意して頂きたいのは、一度相続時精算課税制度を利用すると、110万円の暦年課税贈与は使えないと言うことです。
さらに言いますと、下記に掲げました特例制度は、相続時精算課税制度を利用した人は使えません。
贈与税の特例は数種類あり下記にその概要を示しますが、それぞれの特例に細かな要件が定められています、誤った適用で思わぬ贈与税が課せられたという例もありますので、実際に利用する場合には専門家か税務署にご相談下さい。
婚姻期間が20年以上である配偶者が対象、贈与財産は居住用不動産又は居住用不動産取得のための金銭、控除額(非課税枠)は2000万円。
※現に居住している家屋又は敷地の一部でもOKです。
期間/平成24年1月1日~平成26年12月31日、受贈者は20歳以上の子又は孫、贈与者は直系尊属(父母、祖父母)、贈与財産は子や孫が住宅を取得する為の金銭。
【非課税額】
省エネ耐震住宅は平成25年度1200万円、26年度1000万円。
一般住宅は平成25年度700万円、26年度500万円。
期間/平成25年4月1日~平成27年12月31日、受贈者は30歳未満の子又は孫、贈与者は直系尊属(父母、祖父母)、贈与財産は子や孫の教育資金に充てるための金銭。
【非課税額】
受贈者1人につき1500万円(学校等以外は500万円)。
※教育資金を直接、子や孫へ渡すのではなく、銀行へ預け入れ、又は信託銀行
等へ信託し、銀行や信託銀行から学校の授業料などを支払う仕組みになって
います。
他にも特例制度がありますが、必ず贈与税の申告することが要件となってい
ますので、ご注意ください。