京都の業務ソフトウェア・サプライ用品、オフィス用品インターネット通販企業・ミモザ情報システムの公式ホームページです。
株式会社ミモザ情報システム
TEL:075-595-2526
10:00~12:00、13:00~16:00

賃金のデジタル払いが解禁されます!

皆さんご存じの通り、労働者のお給料つまり賃金の支払方法は、労働基準法でルールが定められており、通貨(硬貨とお札)で支払わなければならないとされています。 ただし例外として、労働者本人の同意を得た場合に限り、本人名義の預貯金口座への振り込みや証券総合口座への払い込みによる支払でも可能とされています。

しかし昨今、物品購入代金を○○PAYや交通系ICカードなどで支払う方が増えるなど、支払方法の多様化が進んでいます。
そこで今般、厚生労働省が、賃金のデジタル払い(資金移動業者の口座への賃金支払)を可能とする労働基準法の施行規則を公布しました。

今回は賃金のデジタル払いについて取り上げてみたいと思います。

1.資金移動業者とは

資金移動業者とは、銀行以外の者で為替取引を業として営む業者のことをいいます。

資金移動業者を営むには、法律に基づき、事前に内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。
資金移動業者は、金融庁のHPに「資金移動業者登録一覧」として掲載されています。

資金移動業者としては、「PayPay(ペイペイ)」や「LINEペイ」などが広く知られています。

2.賃金のデジタル払いについて

前述のとおり、労働者の賃金は現金払いが原則であり、本人の同意を得られた場合に限り、本人名義の金融機関口座への支払も可能となっております。
今回、資金移動業者の口座に対して労働者の賃金を支払うことも可能となりましたが、いろいろな制限がございます。

まず、会社と労働者代表との間で、賃金デジタル払いの対象となる労働者の範囲や取扱指定資金移動業者の範囲等を記載した労使協定を締結する必要があります。
その上で、賃金のデジタル払いを希望する個々の労働者は、留意事項等の説明を受け、制度を理解した上で、同意書に賃金のデジタル払いで受け取る賃金額や、資金移動業者口座番号、代替口座情報等を記載して、会社に提出することが必要になります。

なお、賃金のデジタル払いを選択した労働者については、賃金の一部を資金移動業者口座で受け取り、残りを銀行口座等で受け取ることも可能です。
ただし、現金化できないポイントや仮想通貨での賃金支払は認められません。

賃金のデジタル払い対応の資金移動業者は令和5年4月1日以降に厚生労働大臣に指定申請ができます。
従って、賃金のデジタル払いが始まるのは、令和5年中ごろ以降となる模様です。

3.まとめ

賃金は労働者が生活を送るのになくてはならないものです。
従って、賃金について法律では様々な規制をしているわけです。

労働者の保護と利便性の2つの観点のバランスから今回の改正がされました。