いつの間にか6月。例年であれば賞与を支払われる事業主さんも多いでしょう。
しかし、今年はコロナの影響でそれどころではないというのが大勢だと思います。
そこで今回は、コロナ禍が終わり世の中が通常モードに戻ったとして、賞与の支払回数にかかる社会保険料の扱いについて取り上げてみたいと思います。
社会保険では、賞与を2種類に分けて考えます。年3回以下の支給の場合を「賞与」、年4回以上支給の場合を「賞与に係る報酬」として分けて扱います。
多くの企業では年2回支給だと思いますので、上記区分では「賞与」の扱いになると思われます。
この場合は、年3回の賞与支払ですので、「賞与」として各月に年金事務所等に賞与支払届を提出することになります。
それにより、賞与支払ごとに、賞与支払額をもとに社会保険料がかかることになります。
この場合は、年4回の賞与支払ですので、「賞与に係る報酬」となり、賞与支払届は提出しません。
7月の社会保険の算定基礎届を提出するときに、前年7月1日から当年6月30日までに支払われた賞与の合計額の12分の1を加算した額を届け出ることになります。
この例では、算定基礎届の4月5月6月の各欄に、各月の給料に年間賞与合計12万円の12分の1である1万円を加算して31万円として届け出ることになります。
それにより、4回支給した各々の賞与には社会保険料はかからず、毎月の社会保険料に反映されることになります。
これは賞与の支払月を変更したケースです。変更前も変更後も賞与支払回数は年3回ですので、「賞与」の扱いになりそうですが、変更した年については下記のように年4回の賞与支給になってしまいます。
この場合は、賞与の支払いが年4回になっていますが、賃金規程上の支給回数を4回に変更したわけではなく、変更年において結果的に賞与が4回支給になったというだけのことです。
従って、この場合は、「賞与に係る報酬」として扱わず「賞与」として扱い、通常通り賞与支払届を提出し、賞与支払ごとに社会保険料がかかることになります。
上記のように、賞与の支払回数によっては、社会保険の届出の仕方が変わり、それにより社会保険料のかかり方も変わってきます。
また、それに連動し、給料からの社会保険料の控除の仕方も変わってきます。
ネーミングにかかわらず、賞与的なものの支払い回数が4回以上になりそうなときは、十分な注意が必要です。