企業経営者の皆さんが従業員の求人を出されるとき、「35歳以下に限る」など年齢に要件を付けておられませんでしょうか。実は、平成19年10月1日より、労働者の求人を出す際に、年齢要件を付けることが、原則として禁止されました。年齢不問の求人にすることが義務付けられたわけです。
ただし、これには一部例外が設けられており、下記の場合は年齢制限をすることが例外的に認められております。
(○は年齢制限が認められる例 ×は年齢制限が認められない例)
定年年齢を上限として、当該上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
○「60歳未満の方を募集(定年が60歳)」
×「60歳未満の方を募集(契約期間6ヶ月)」
労度基準法等の規定により年齢制限が設けられている場合
○「18歳以上の方を募集(警備業務)」
×「18歳以上の方を募集(営業職)」
長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象としての募集・採用する場合
○「35歳未満の方を募集(職業経験不問)」
○「40歳未満の方を募集(簿記2級以上)」
×「40歳未満の方を募集(契約期間6ヶ月)」
×「40歳未満の方を募集(営業経験のある方)」
技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
※電気技術者20歳代10人、30歳代2人、40歳代8人と仮定する
○「電気技術者として30歳~39歳を募集」
×「電気技術者として40歳~49歳を募集」
芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請がある場合
○「演劇の子役として、10歳以下の方を募集」
×「イベントコンパニオンとして30歳以下の方を募集」
60歳以上の高年齢者又は特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る)の対象となる者に限定して募集・採用する場合
○「(特定求職者雇用開発助成金の対象者として)60歳以上の方を募集」
×「60歳以上70歳未満の方を募集」
上記の6パターンのいずれかの例外に該当しない限り、求人を掛ける際に年齢制限をすることはできません。求人の際には、年齢で一律に排除するのではなく、例えば「体力や持久力が必要な仕事です。」などと記載し、応募者が仕事のイメージをつかめるようにしておくのがいいでしょう。