賞与(ボーナス)を支払った場合は、支払日より5日以内に年金事務所に届け出なければなりません。これは賞与にかかる社会保険料を徴収し、また賞与額を年金額に反映させるためです。
今回はこの届出についてご説明させていただきたいと思います。
届出の対象となる賞与は、賞与、期末手当、決算手当、その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるもの及び役員賞与のうち、年3回以下の支払のものをいいます。なお、年4回以上支払うものは、賞与の届出の対象とはされず、毎年7月に提出する「算定基礎届」の対象となります。
実際に支払われた賞与額から1,000円未満を切り捨てた額を「標準賞与額」といい、これを「賞与支払届」に記載し、「賞与支払届総括表」とともに支払日から5日以内に年金事務所に提出しなければなりません。
なお、標準賞与額には上限があり、健康保険では年度の累計額540万円
(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)、厚生年金保険は1か月
あたり150万円となっております。
賞与にかかる健康保険料額及び厚生年金保険料額は、「標準賞与額」に健康保険料率および厚生年金保険料率を掛けた額です。この額を事業主と被保険者が折半で負担することになります。
昭和12年4月2日以降の生まれで、かつ常時雇用されている70歳以上の方に賞与を支払った場合は、「厚生年金保険 70歳以上被用者 賞与支払届」を年金事務所に提出する必要があります。
社会保険の資格取得月(資格取得日以降)に支払われた賞与は保険料の対象となりますが、資格喪失月に支払われた賞与は保険料の対象とはなりません。
ただし、資格取得と同月に資格喪失した場合は、資格取得日から資格喪失の前日までに支払われたものであれば保険料の対象となります。保険料の対象とならない場合であっても、資格喪失日の前日までに支払われた賞与については、賞与支払届の提出が必要となります。また、産前産後休業中の者、および育児休業中の者についても、賞与の支払いがあれば賞与支払届の提出が必要です。
なお、健康保険組合や厚生年金基金に加入されている事業主さんにつきましては、これらにも賞与支払届の提出が必要になりますのでご注意ください。