皆さんの会社では、就業規則を作成しておられますか。就業規則は、賃金、労働時間、採用、退職、福利厚生、教育訓練など、会社で働く人の労働条件について定めたものです。これを作成することにより、労働者の労働条件を明らかにすることができ、労働者に安心感を与え、会社の業績に貢献してもらうことができ、また優秀な労働者を確保することもできます。今回は、「就業規則」について、その概要をご説明させていただきたいと思います。
常時使用する労働者が10人以上の場合は、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。この「10人以上」というのは、正社員だけでなく、パート・アルバイト等も含めた人数です。なお、本社以外に営業所・支店があるなど2つ以上の事業場がある場合は、その事業場ごとに「10人以上」かどうかの判定をします。例えば、労働者数が、本社は15人、営業所は9人であれば、本社は就業規則の作成義務がありますが、営業所は作成義務はないことになります。
就業規則に記載する項目は、下記のとおりです。大きく次の3つにわけることができます。
就業規則に必ず記載すべき項目のことです。項目は下記のとおりです。
1.始業・終業の時刻
2.休憩時間
3.休日
4.休暇
5.交替制の場合、就業時転換に関する事項
6.賃金の決定・計算・支払いの方法
7.賃金の締め切り・支払いの時期
8.昇給に関する事項
9.退職の事由とその手続き
10.解雇の事由等
定めをする場合は就業規則に必ず記載すべき項目のことです。項目は下記のとおりです。
1.退職手当に関する事項
2.臨時の賃金、最低賃金額
3.食費、作業用品、その他の負担
4.安全衛生
5.職業訓練
6.災害補償、業務外の傷病扶助
7.表彰・制裁の種類・程度
8.その他全員に適用されるもの
上記(1)(2)以外の記載項目のことをいいます。例えば、社是、経営理念などを就業規則に記載することができます。
就業規則の作成が義務付けられているのは、労働者数が10人以上の場合のみです。9人以下の場合は作成義務はありませんが、労働条件をめぐるトラブルを未然に防止するためにも、就業規則を作成されることをお勧めいたします。