間もなくお盆の季節ですね。お盆には、旅行や帰省などのため、まとまった休暇を取られる方も多いのではないでしょうか。お盆の数日間を「夏季休暇」にされている会社さんもあれば、各従業員さんが年次有給休暇と所定休日を組み合わせてお盆休みを取られる場合もあるでしょう。
そこで今回は、年次有給休暇(年休)についてお話させていただきたいと思います。
年次有給休暇(以下「年休」という)とは、土日祝など会社があらかじめ定めた休日とは別に、労働者の自由な意思で仕事を休める日のことをいいます。
これは法律で定められていて、休んだ日についても通常通り賃金を支払わないといけません。また、年休をいつ取るかについては労働者が決めることになっており、会社の事業の正常な運営を妨げない限り、会社側が一方的に年休の取得日を変更することはできないことになっています。
年休は、勤続6ヶ月で出勤率が80%以上の場合に10日以上付与することになっています。その後1年経過ごとに11日、12日、14日、16日、18日と増えていき、勤続6年6ヶ月以降は毎年20日以上付与することになっています。
なお、上記の出勤率を計算するに当たり、労災による休業、産前産後休業、育児介護休業、年休取得日については出勤したものとみなすことになっています。
年休を取得する権利は2.で付与された日から2年間で消滅することになっています。従いまして、付与された年休については翌年度にのみ繰り越せることになります。
例えば、勤続6ヶ月から1年6ヶ月の間の1年間に7日間年休を取得したとすると、勤続1年6ヶ月の時点では、前年度から繰り越された3日分(10日-7日)と新たに付与された11日分を合わせ、14日間の年休の権利が発生することになります。
そしてその1年後には、上記の3日の分は未取得であっても時効により消滅することになります。
よく誤解があるのですが、パートやアルバイトの方についても、正社員と同じく原則通り年休を付与する必要があります。ただし、週の所定労働日数が4日以下で、かつ週の所定労働時間が30時間未満の場合は、「年休の比例付与」という制度が適用され、通常の年休より少ない日数の年休を付与することもできます。
企業側からしますと、年休を取得されたら、その分人手が減るので痛いと思いがちです。しかし、年休取得により労働者がリフレッシュし、効率よく業務をこなしてくれるようになれば、企業側にとってもメリットがあるのではないでしょうか。
年休の制度をうまく活用し、労使ともに快適な職場環境を実現しましょう。