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京都を走る!

間もなく、年に一度の京都マラソンです。

2012年、全国的な市民マラソンブームに乗って始まり、一過性のものかと思っていたら早くも今年で7回目を数えるようです。
運営も安定してきて、コース改変で「狐坂」という心臓破りポイントもなくなり、あとは出走権が当選するのを待つのみなのですが、なかなか当たりません(応募はしています)。

京都、走るイベントが多い街

さて、京都マラソンは今年で7回目と書きましたが、実は過去にも恒例イベントとして開催されていました(後述・旧京都マラソン)。

マラソン以外にも、京都は長距離走の大会、特に駅伝が盛んで、市街地で交通規制を敷くような大規模なロードレースが、毎年5回も開催されます。

1.新京都マラソン/旧京都マラソン

開催時期/毎年2月第3土曜日(新)
コース/42.195km

新旧大会に直接の関係はありません。
旧大会は、京都新聞の90周年記念事業として1969年に第一回大会が開かれ、1983年まで続き、翌年からは全国女子駅伝に代わりました。
以来、30年余りを経た2012年、市民マラソンブームを受けて30年ぶりに復活を遂げ、それから毎年開催されています。

交通網が脆弱な京都市内でのレース運営は困難を極め、警備コストも嵩んだことから、初期は億単位の赤字が市税で補填され、結構叩かれました。
それでも京都の街を走ってみたいという方は多いようで、出走権の抽選は高倍率が続いています。
また、大会運営を支えるボランティアの数が多い(走者1万6千人に対し、ボランティア8千人)ことも、本大会の特徴です。

2.全国女子駅伝

開催時期/毎年1月第2日曜日
コース/9区間42.195km

旧京都マラソンを発展させる形として、1983年から始まった大会で、翌84年ロス五輪から正式種目となる女子マラソンの選手育成強化を目指して創設されました。
都道府県対抗で、中学生から一般の実業団ランナーまで幅広い年代の選手達がタスキをつなぎます。
高橋尚子選手や、地元京都の野口みずき選手など、日本マラソン界の女神たちの多くは、この大会のアンカー第9区から、世界へ羽ばたいていきました。

3.全国車いす駅伝大会

開催時期/毎年3月第2日曜日あたり
コース/5区間21.3km

あまり知られていませんが、珍しい男女混合の大会です。
車いすによる中長距離走はパラリンピックの正式種目にもなっており、これの駅伝版ですが、タスキは使用せず、規定のエリア内でタッチすることで中継します。
車輪ならではのスピードで、ハーフマラソンを46分台(人の足では世界記録でも60分程度)で一気に駆け抜けていきます。
レース用車いすはホイールベースが長く、沿道から連なって走り抜けていく様子見ると、迫力があります。

4.全国高校駅伝

開催時期/毎年12月第3日曜日あたり
コース/9区間42.195km

言わずと知れた、年末の都大路を駆け抜ける全国大会、インターハイ。
かれこれ50年以上京都で開催しており、1979円からは箱根駅伝よりも早く、テレビ中継を導入。ランナーによる一進一退の駆け引きをお茶の間に映し出し、日本人の駅伝熱を一気に高めました。
大会前は全国各地から選手・応援団を満載した観光バスが集結し、都道府県対抗で女子、男子の順にレースを行います。
高校陸上長距離選手にとっての「甲子園」とも言える大会です。

5.大文字駅伝

開催時期/毎年2月第2日曜日あたり
コース/8区間12.385km

こちらは非常にローカルな大会で、市内小学校の学校対抗で争われます。
ただ、ローカルと言えど、ある意味市民ぐるみで一番盛り上がる大会かもしれません。
なにせ、京都の学区意識の高さはこの連載で散々述べてきた通りで、本大会は地区予選を勝ち上がってきた学校によって争われる選抜大会だからです。

もう、この大会だけでコラム一本書けますので、詳しいご紹介はまたの機会に。

駅伝発祥の地、京都

ここまで、京都のまちなかで行われる大規模なマラソン・駅伝大会について見てまいりましたが、いやぁ、多いですね。
なぜこんなに多いのか。
京都が「駅伝の聖地」とさえ言われるのは、とある大会に起源がありました。

さかのぼること100年前、時は1917年(大正6年)4月27日。
東京奠都50周年を記念して、読売新聞社主催で「東海道五十三次関東関西対抗駅伝競争」が開催されました。

京都は三条大橋のたもとで、
「ヨーイ、ドン!」
へ?
東海道五十三次って、東海道?ごごご、ゴールは??
「東京は上野、不忍池!」
ええーーーー!?とつけむにゃぁああああーーーー!!!※
(※後述の金栗四三の出身地・熊本弁で「とんでもない」の意)

関西・関東両チームの選手たちは、3日間にわたり昼夜を問わず走り続け、のべ23区間・コース総延長は、実に500km超。
うーん、狂ってますね。でも、ちょっと、見てみたい。

この大会を記念して、スタート地点の三条大橋とゴール地点の上野不忍池には、同じ「駅伝発祥の碑」が建てられ、現存しています。
この五十三次駅伝こそが、日本で一番最初に行われた駅伝競技であり、長距離リレー競走という競技に「駅伝」の名が与えられたのも、この時が初めてでした。

なお、この壮大な五十三次駅伝、関東チームのアンカーを務め、先にゴールしたのは今年の大河ドラマで大注目、韋駄天こと金栗四三(かなくりしそう)。

今ではすっかり正月の風物詩となった「箱根駅伝」は、五十三次駅伝の3年後・1920年から始まり、コースもほぼ東海道と重複します。
金栗四三は、日本人初のオリンピック選手(マラソン)であり、箱根駅伝の開催にも尽力したことから、日本の駅伝・マラソン界の父と言われ、箱根駅伝の最終週選手に贈られる賞も「金栗四三杯」となっています。

して、駅伝の名の由来は、街道の宿場ごとに置かれた駅に人馬を常駐させ、敵の動きや反乱を察知するや、いち早く中央に伝令を走らせる交通・情報通信システム「駅伝制」から取ったものです。
朝廷から全国の国府を繋いだ東海道、山陽道などの主要な道の結節点である京都は、いにしえの駅伝制の中心であり、日本最初の駅伝のスタート地もであり、駅伝発祥の地となっているのです。

しかし、京都。これだけ駅伝が盛んだと、選手層も厚く、特に女子は安定感があります。
中学生、高校生、大学生、社会人(実業団)、全世代が強い。
きっと、大文字駅伝をきっかけに、小学生から鍛えている、というのもあるでしょう。

市民への影響

さて、年に5回、大きな大会のある京都ですが、市内交通はバスへの依存度が高く、すべての大会日程で強制的に交通マヒが発生します。

駅伝なら先頭から最後尾までの差の間、だいたい20~30分くらいの足止めです。
普段は何気なくわたっている交差点も封鎖。道路を渡れなくなり、ひたすら待ちぼうけを食らいます。

とりわけ規制が広く長く続くマラソン当日ともなると、もうほぼ外出禁止令レベルです。
もちろんノーマイカーデー。
この状況に遭遇すれば、外国人観光客はちんぷんかんぷんでしょう。

ちなみに、ご老人方は「あー、またかぁ」といった様子で、怒るでもなく、騒ぐでもなく。
年5回もあれば日程を覚えきれるものでもなく、予期せず出くわしてしまいます。
でも、ずっと続いてきたものなので、慣れたものです。
そうです、この対応。これぞ、駅伝の聖地。

さぁ、今週末は大文字駅伝、一週間後には京都マラソン。
間もなく、号砲です。

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