1週間の所定労働時間が30時間(規模の大きい会社の場合は20時間)以上である労働者または役員報酬の支給されている役員は、勤務先で社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入しなければなりません。
しかし労働者の場合は例外があり、雇用契約期間が2か月以内であれば社会保険の加入対象外となります。
ところで、この「2か月以内」のルールが令和4年10月から見直され、少し判定基準が厳しくなったのをご存じでしょうか。
今回はこの点について取り上げてみたいと思います。
令和4年9月までは、2か月以内の有期雇用契約で採用した場合、社会保険の加入対象外でした。
そして2か月経過後引き続き雇用する場合は、その時点から社会保険に加入することになっていました。
しかし令和4年10月からは、2か月以内の有期雇用契約での採用が社会保険の加入対象外というルールは継続するものの、判定基準が少し厳しくなり、下記(1)(2)のいずれかに該当する場合は社会保険の加入対象となりました。
-1
就業規則、雇用契約書等においてその契約が「更新される旨」、または「更新される場合がある旨」が明示されている場合
-2
同一事業所において、同様の雇用契約に基づき雇用されている者が、更新等により最初の雇用契約の期間を超えて雇用された実績がある場合
つまり、繁忙期など特別にその期間のみ雇用するという場合くらいしか2か月契約の社会保険適用除外はできなくなりました。
2か月限定契約で勤務していたが、勤務後状況が変わり契約が更新される可能性が出てきた場合は、その時から社会保険に加入することになります。
2か月以内の雇用契約が、数日の間を空けて繰り返し行われる場合はどうなるのでしょうか。
この場合は、事業主と労働者との間で次の契約更新の予定が明らかであるような事実が認められるなど、事実上の使用関係が中断することなく存続していると判断できるときは、最初の雇用契約の初日から社会保険に加入することになります。
採用して最初の2か月を試用期間(見習期間)としている場合はどうなるでしょうか。
この場合は、当該2か月間は有期雇用契約ではないため、試用期間の初日から社会保険に加入することになります。
社会保険の加入はルール通りにしておかないと、数年に1回の年金事務所の調査の時にいろいろ面倒なことになります。
事務担当者の皆様におかれましては、常に最新のルールを把握しておきましょう。