みなさんこんにちは、ブログ担当の八尾です。
『気になる小変録』シリーズ第5回。今回はちょっとだけ、役立つかもしれないお話です。
■『ミモザ』、電話で伝わりにくい → 「みかん」の「み」、「もも」の「も」、「ざくろ」の「ざ」と伝える
——なんというか、愉快な小変ですね。
ただ、弊社の社名にもなっている『ミモザ』が電話で伝わりにくい、というのは、私たちにとってはわりと、真面目な悩みでもありまして。
『情報システム』はともかく、『ミモザ』。
こちらは、そのつもりで聞いていないとかなり突飛なワードですので、聞く側がすぐにピンと来ないのもよくわかります。
それに、そもそもミモザという花を知らない人にとっては、もはやただの固有名詞。
聞き取りにくいのも無理はないというものでしょう。
とはいえ、やはり相手がお客様でも取引先様でも、電話はまず、名乗りが成立しないことには始まりません。
この小変通りで伝わるかどうかはともかく、もし相手に聞き取ってもらえなければ、その場でなにか、対策を取る必要が出てきます。
そういう意味で、私たちにとっては『ミモザ』を聞き取ってもらうのが、電話応対の最初のハードルといっても過言ではないというわけですね。
……まあそれは大袈裟だとしても、電話で言葉が伝わりにくい、というのはみなさん、今まで少なからず経験されていることと思います。
つまりたとえ小さくとも、これは人類共通の悩み、ということです。
そして人類共通の悩みには往々にして、人類の英知による解決策がすでに、提示されているというものでしょう。
それが『フォネティックコード』です。
フォネティックコード、またの名を『通話表』とも言いますが、これは電話などの通信での会話において、聞き手の聞き間違いを防ぐための規則のことです。
たとえば「AはAlfa」、「BはBravo」、「CはCharlie」といったような感じで。
文字一つひとつにわかりやすく聞き取りやすい別名を与えることで、発音の似た文字同士の区別を容易にしたり、話者の癖やなまりの影響を小さくしたり。
話し手の言葉を一字一句、間違えずに伝えるのが、フォネティックコードの目的というわけですね。
ちなみに、もちろんアルファベットだけでなく、数字や記号、そして仮名にも対応しています。
「朝日のあ」、「いろはのい」、「手紙のて」、「弓矢のゆ」などなど。
なんだか素敵、というか、おしゃれですね。
その仮名を代表する日本語、という感じで、選ばれしメンバー感があります。
個人的には「大和のや」、「世界のせ」などが好きです。
こんなものがあるんだなあ。
初めてフォネティックコードの存在を知ったとき、私はそう思いました。
さすが人類。すでにこの不便さを認識し、対策まで取っていたとは。
いやはや、大変感心させられます。
つまり『ミモザ』を伝えたいなら「三笠のみ」、「もみじのも」、「桜のさに濁音」といえばいいわけです。
残念ながら、『濁音』はそのまま「濁音」だそうです。
ともあれ、これで伝わりにくい言葉があっても安心。
みなさん、全部覚えてどんどん使っていきましょう!
……まあ、もちろんそんな単純な話ではないわけで。
まず、覚えてない。
もし自分が覚えていても、相手が覚えていないと、結局「ん?」となってしまいそう。
フォネティックコードの存在を知らない人からすれば、急に電話の相手が「三笠のみ」なんて言い出したら、普通に混乱します。
要するに、普及度が低い。
少なくとも、私は学校では習いませんでした。
知ったのも最近で、それも特にきっかけもなく、偶然です。
もっと広めといてよ!
せっかく作ったからには、利用者が増えないともったいないです。
効果を十分に発揮できません。
結局私はいつも、その場でパッと思いついた言葉を使って、文字を伝えることが多いです。
特に英語は「AlfaのA」なんて通じるとは思えません。
もっぱら「ABCのA」と言っています。
フォネティックコード、意味なし……!
いや、元々は軍や航空関係での使用が想定されているため、必要な人にはしっかり認識されているわけですが。
我々民間人、というか一般人もこれで困るシーンは多いので、どうにか使えないかなと思ったり。
まあ実際、電話や通信の音質はどんどん向上傾向にありますし、この先はもっと一般人には不要になっていくのかもしれません。
手話みたいな感じで、知っていればなにかと人類全体が便利になりそうではあるんですけどね。
さて、今回は知る人ぞ知る、けれどやっぱりみんな知らない、フォネティックコードのお話でした。
人類には、いろいろ英知があるんですね。
もしかすると、まだまだ知らない便利なものが、この世には隠されているのかもしれません。
それでは、今回はここまで。
また次回の記事でお会いしましょう。