今年は東海道新幹線開業50周年。
9月に入ってから、テレビや新聞ではこの話題がちらほら聞こえてきます。
実は、ミモザが入居しているビルからは新幹線の線路が良く見え、今日もひっきりなしに列車が過ぎ去っていきます。
きっとお客様も、私達の職場のすぐ傍を何度も通り抜けているかもしれません。
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新幹線改札だけで、1日7万人。
京都駅は、東海道新幹線内では東京、新大阪、名古屋に次ぐ第四の要衝として、今日も多くの人々が行き交っています。
テレビでは「そうだ、京都 行こう」のキャッチコピーでCMが打たれ、近畿圏外の旅行会社では新幹線で行く京都行のツアーが目白押しです。まさに、現代の京都は新幹線無しには考えられないとも言えましょう。
そんなJRの営業戦略上でも重要な京都駅ですが、開業前の建設計画では、そもそも京都を通る予定がなかったそうです。
遡ること戦前の弾丸列車計画では、名古屋から大阪へ至るルートを当初「鈴鹿峠経由」、すなわち三重県亀山市付近から京都の南方を通過し大阪へ向かうように計画していたそうです。
これは、線名の由来である旧東海道に沿って進む東京大阪間の最短ルートですが、地質調査の際、鈴鹿山地を超えるトンネルを掘るのに時間がかかりすぎ、東京オリンピックの開催に間に合わない事が判明し、急遽関ヶ原方面へ北上する旧中山道ルートに変更されたのです。
それでもなお計画では、京都は在来線駅とは離れたところに「新京都」駅を設置し、また速達列車「ひかり号」も通過扱い。これに地元行政や財界が猛反発し、陳情を重ね、なんとか土壇場で現駅併設、全列車停車にこぎ着けたのでした。
このときの成功体験(?)が、奈良県経由で計画されているリニア中央新幹線京都誘致運動の(局地的な)盛り上がりに繋がっています。
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京都の街の中心は長らく四条烏丸~河原町界隈ですが、今の京都駅からは北側に少々離れています。
それもそのはず、国鉄(今のJR)京都駅の開業当時の住所は、「葛野郡東塩小路村」で、市域内ですらありませんでした。
京都の街は一千年前から確立しており、国家プロジェクトとは言え、突然鉄道がやってきてもそれを引き通す余地がなかったのでしょう。鉄道はたったの百数十年。新幹線も都市の歴史から見れば「僅か半世紀」です。しかし、その僅かな間に、日本中、そして京都にも例外なく大きな変化をもたらしたのが新幹線です。
今では首都圏から年間一千万人が降り立つ、洛中の表玄関です。
周辺には商業施設の集積も進みましたが、未だ物議を醸す巨大駅舎がやはり存在感を放ちます。屋上広場、空中通路など、都市の建築の中でこれほどまでに「ゆとり」を備えたものはそうそうありません。休日は大階段でコンサートなどが行われ、パブリックスペースの少ない京都の街中では貴重な「広場」の役割を果たしています。
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新幹線と京都、と言えば、修学旅行。
昨今は市内をグループごとにタクシーで回るというのが普通ですから、新幹線で修学旅行と言われても別段贅沢な印象もありませんが、友達と一緒に乗る初めての新幹線とでもなれば、興味深い体験でしょう。
なお、修学旅行生の列車への割り当ては、(1)同じ地域の学校がまとまって専用列車を仕立てる場合と、(2)一般の営業列車に混乗する場合の2種類があるそうです。
(1)の場合は、貸切列車という扱いですが、行先表示機に「修学旅行」の文字が入るだけで、通常の車両が使われます。当然グリーン車が当たる運の良い生徒たちもいるようですよ。
なお、この修学旅行列車、東京を出たら次は京都で良さそうなものですが、途中の名古屋や新横浜にも停まるとのこと。これは、(本来当日には運転されない)臨時のぞみ号のダイヤに沿って運転されるためだそうです。
貸切列車だからといって、好きな時間に好きなように走らせられるわけではなく、全て計算ずくであらかじめ決まっている、というのがいかにも日本的ですね。
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さて、話は戻って、リニア誘致問題です。
端的に、何もそんなに急いで京都に来んでもええやん、と思ってしまいます。
おそらく、観光業に携わらず、関西圏外への出張がない大多数の市民も、似たような意見ではないでしょうか。
確かに出張に行く度に列車に揺られるのは億劫ですが、どうせみなさん仕事してますよね?(帰りは缶ビール?)
それに、観光という非日常を味わうには、日常と隔絶していく儀式として、少々の時間的距離は必要でしょう。乗り物に揺られながら、ガイド本片手に行く先で待ち受ける体験や出会いに思いを馳せる時間は、旅の醍醐味の一つと言えませんか?
車窓に目を向ければ、富士山、茶畑に東海道ベルトの工場群。田園風景とコンクリートジャングルが目まぐるしく流れ去るメガロポリス・日本劇場。こんなアトラクション、地球のどこ探したって、あらしまへん。
京都へは、新幹線でおこしやす。