会社で、組織で仕事をしていると、今、自分のしていることが、
果たして何の役に立っているのか、分からなくなる時があります。
仕事なんて、誰のためとか、何のためとか、いちいち考えなくてもいい。
そういう風におっしゃる方もいますし、
生活のための手段だから、別にその内容がなんだっていいやと
割り切れる方もいます。
それを否定しません。それはそれでいいと思います。
一方で、仕事に限らず、自分のしていることが、自分以外の誰かの役に立つ
という実感が得られたら、人はいつも以上に頑張れる、という場面があります。
例えば…
好きな人のために料理をするときは、ちゃんとレシピを見て、
いつもならすっ飛ばすような下ごしらえもして、
火加減も段取りも入念に作ったりしますよね?(…ね?)
大切なあの人のためのプレゼントなら、お店何軒もはしごして、
いろんな人に意見を聞いて、気に入ってもらえそうなもの探し回りますよね?
(…ね?ね?)
まー、結果喜んでもらう姿が見られるという自分にとっての「ニンジン」が
ぶら下がってるだけなのかもしれませんが…
パナソニックの創業者・松下幸之助さんのエピソードで、こんな話があります。
創業間もない頃、電球を作る工場で、できた電球をを磨くだけという
どう考えてもつまんなさそうな仕事があったそうです。
その仕事を担当する従業員に一言。
「君、ええ仕事しとるな~」
それを言われた従業員は、
「こんな誰でもできる仕事にそんなこと言われても…」
といったことを言い返したそうです。
すると、
「君が電球磨く。
おかあちゃんが帰ってくるのが遅くて、
もう暗くなってもうて、ウルトラマンの絵本、
読んでもらわれへん子供がおる。
そんな子供の家に、
君の磨いた電球一個灯るだけで、
その子はおかあちゃんに、
絵本読んでもらえる。
ウルトラマンは続行や!
本読んで、勉強してる子供らがおるやろ。
そんな子供らが夜になって暗くなったら字読めなくなって勉強
したいのに出来なくなる。
そこであんたの磨いた電球を付けるんや。
そうしたら夜でも明るくなって子供らは夜でも読みたい本読んで
勉強出来るんやで。
あんたの磨いてるのは電球やない。子供の夢を磨いてるんや。
…君、ほんまええ仕事してるな~。」
職業観、労働観?というものは人それぞれだから、押し付けることは
できません。…が、やはり、何かの役に立っていると実感できるのと
そうでないのとでは、きっと、仕事に対する向き合い方は変わって
きますよね。
それでは、我らがミモザのネットショップは、どんなふうに役立ってるんで
しょうか?
いや、大したことないんです。多分。
近所の文具屋に行ってた頃より、発注や物資調達が少し楽で早くなったとか、
汎用品を見つけて、今まで使ってた他の製品よりも安く上がったとか。
一つひとつのお取引とその結果からは、5分10分、500円1000円程度の
「お役立ち」しか生まれていないと思います。
しかし、ネットショップのすごいところは、全国のお客様に対し、
そのサービスを行っているというところです。
毎月数千件の注文をいただきます。その一つひとつのお客様の現場で、
先ほどの「塵のようなお役立ち」が「山のように積もり」、全国のお客様が
本来すべき創造的な業務に時間と労力、コストを振り向けられたなら、
この国全体の生産性向上に少しは貢献していることになるでしょうか?
欲しいタックシール探すために悪戦苦闘していた5分10分が、
こんな表 のおかげであっという間に終わってしまったら、
一本早い電車で帰れるかもしれない。
すると、いつもは閉店してた花屋がまだ開いてるいてるかもしれない。
500円のちゃちな花束でも、何の前触れもなくそれ持って帰ったら、
多分奥さん喜びますよ。
ま、普段会わない美人と同じ電車になったことで生まれる不和も
ないとは言い切れませんがね…汗
そうなると、WEBサイトのたった1ページが、人の人生をも変え得る!
と、言えなくもないわけです。 無理矢理ダナー…
また、ある一面では、私たちのしていることはメーカーの皆様が精魂込めて
作り上げた製品と、お客様のニーズをスムーズに結びつける仕事です。
その「結びつける」過程を、如何にストレスなく、快適に、しかもちょっぴり
タメになったり、楽しくなったり…そんな風に改善していけたら、オフィスの
買い物は、ただの面倒な雑用から、息抜きできるちょっとした楽しみに
変わっていきます。
で、それはあの巨人amazonには(あえてご指名させていただきます)、
できないはずなのだ!!(…今のところは…)
打倒商品おすすめプログラム。
(この商品を買った人は、あれも買っていますとか、あなたにお勧めの
商品はこちらとか言う気持ち悪いアレです)
これは最早コンピュータ対人間ですよ。
あるいは世界中のエリートエンジニア対、市井のしがない生活者。
頭の性能じゃ勝てないけど、奴らが気が付かないアイデアだってあるはず。
そんな細かくて地味でよく分かんない(オイしくない)隙間を取れるのは、
結局は小さな専門店。
オイしくなくて上等じゃない。仕事なんて、そんなもんじゃない。
己が流した汗の数だけ、誰かが楽になればそれでいいじゃない。
そうやって短い人生を削り朽ちていけたなら、ぶーぶー文句ばっか言って
腐ってくのよりは幾分いい感じの、一歩間違えれば雨ニモ負ケズ的にシブめな
生き方が、下手したら片田舎の田んぼの真ん中にある倉庫であっても実現
できるんじゃなかろうか?いやぁ、凄い時代になりましたね~!
(…そういえばアップルだってamazonだって、最初のオフィスはガレージです)
(注:現在弊社は京都の端っこの方のビルの一室でございます)
(これは「小さくまとまろう」という話ではありません。Think globally, act locally.)
どうせ限りある命を削って働くのならば、ほんの些細なことであっても
人の役に立ちたい。世の中の役に立ちたい。
きらびやかなオフィスとか、人から羨ましがられる名刺の肩書とか、カネに
群がるいい女とか、そんなもんのためじゃなくて、日本中の事務所の皆さんの
「おっ、便利だな」
「これこれ、こういうの探してたんだよね」
そんな瞬間を、この一年で何回積み上げられるか。
それを求めて進ましてもらいます。
(致命的に検証不可能ですが、個人目標なので良しとしましょう)
てなわけで、私、相変わらず、別にこれと言って面白いわけでもないくせに
ちょっぴりケツの青いことばかり妄想しながら、そして内外で馬鹿とかウザいとか
言われ続けながら(笑)、今年も一年乗り切ってゆけたらと考えております。
明けましておめでとうございます。
本年も、ミモザのネットショップをよろしくお願いいたします。